共生のリテラシー――環境の哲学と倫理

共著
2001.3  東北大学出版会
地球生命環境の重大な危機を見据え、環境哲学、環境倫理学の諸テーマを初学者にもわかりやすく解明したもの。
加藤尚武(編著)、清水哲郎、井上達夫他10名。
分担:「BT革命と人間の未来」64-77頁(14頁)では、ES細胞研究を例に、遺伝子技術が直面する倫理問題を考察。バイオテクノロジーはES細胞(胚性幹細胞)という「夢の万能細胞」を手にしたことで,人間を対象とした本格的な生命操作の時代に突入する勢いである。ヒトゲノムの完全解読をふまえて, 21世紀はバイオテクノロジーの潜在力が急激に解き放たれる世紀となる。長い進化の過程と人類史のなかで形成され培われてきた人間性が人為的に変えられるという事態が生じるかもしれない。遺伝子技術の当面する倫理性と安全性の問題を考えるとともに,人類の種としての同一性をどう守っていくかという長期的な視野からの考察が必要である。再生医工学が花開くと予想される21世紀,われわれ自身のなかの「DNA環境の保全」が課題となる。従来対立していたかに見えた環境倫理学と生命倫理学は,遺伝子医療を契機に,「自然を守る」というきわめて素朴な同じ原則に立ち返ることになろう。
キーワード:バイオテクノロジー, 生命操作, ES細胞(胚性幹細胞),再生医学,遺伝子技術の安全性,DNA環境の保全
コラム「意図と責任」188-190頁(3頁)では、ヨーナスの「責任という原理」をふまえ、科学技術の責任を明らかにした。